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放デイの医療的ケア児受け入れ|医療的ケア児支援法と人員配置基準・看護職員加配加算の条文根拠

公開 2026-08-30 最終更新 2026-08-30 文責 合同会社ヌルセット

放課後等デイサービス(放デイ)が医療的ケア児を受け入れる際の制度的な土台は、大きく分けて2つあります。「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(令和3年法律第81号、以下「医療的ケア児支援法」)が定める国・地方公共団体等の責務と、児童福祉法に基づく指定通所支援の人員配置基準・報酬告示が定める看護職員配置と加算の算定要件です。この2つは目的も規定のレベルも異なるため、混同すると「放デイの受け入れ体制=医療的ケア児支援法の義務」という誤読につながりかねません。この記事では、e-Gov法令検索で確認した条文原文と、厚生労働省・こども家庭庁が公表した報酬改定関連資料をもとに、両者の関係を整理します。

この記事でわかること


医療的ケア児支援法は何を定めているか — 放デイへの直接言及はない

医療的ケア児支援法(令和3年法律第81号、令和3年6月18日公布)は、e-Gov法令検索(law_id: 503AC0000000081)で全文を確認しました。第1条(目的)は次のとおりです。

第一条 この法律は、医療技術の進歩に伴い医療的ケア児が増加するとともにその実態が多様化し、医療的ケア児及びその家族が個々の医療的ケア児の心身の状況等に応じた適切な支援を受けられるようにすることが重要な課題となっていることに鑑み、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、保育及び教育の拡充に係る施策その他必要な施策並びに医療的ケア児支援センターの指定等について定めることにより、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資し、もって安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に寄与することを目的とする。

第2条は「医療的ケア」を「人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為」、「医療的ケア児」を「日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童」と定義しています。附則第1条は「この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。」とのみ定めており、e-Gov本文には具体的な暦日の記載はありませんが、公布日(令和3年6月18日)からの計算及び複数の公的機関の告知文書で「令和3年9月18日施行」とされていることを確認しました。

重要な点として、この法律が個別の施設種別の責務として条文上名指ししているのは、第6条(保育所・認定こども園・家庭的保育事業等の設置者等の責務、および放課後児童健全育成事業を行う者の責務)と第7条(学校の設置者の責務)であり、「放課後等デイサービス」という文言そのものは、確認した21条の本則にも附則にも登場しません。第6条第2項が対象とする「放課後児童健全育成事業」は児童福祉法第6条の3第2項に規定するいわゆる学童保育(放課後児童クラブ)であり、障害児通所支援である「放課後等デイサービス」(児童福祉法第6条の2の2第3項)とは別の制度です。この2つの名称は似ていますが、条文上は別物として整理されている点に注意が必要です。

したがって、放デイの医療的ケア児受け入れ体制の直接の法的根拠は、医療的ケア児支援法そのものではなく、同法が求める「基本理念」を踏まえて児童福祉法・関連省令・報酬告示が個別に定めている人員配置基準と報酬体系にあります。次章以降はこちらを扱います。

児童福祉法上の位置づけ — 放課後等デイサービスの定義と地方公共団体の努力義務

児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号、law_id: 322AC0000000164)第6条の2の2第3項は、放課後等デイサービスを次のとおり定義しています(e-Gov法令検索で確認)。

この法律で、放課後等デイサービスとは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)又は専修学校等(略)に就学している障害児(略)につき、授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の内閣府令で定める施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な支援、社会との交流の促進その他の便宜を供与することをいう。

医療的ケアという文言そのものは、この定義規定には登場しません。ただし、児童福祉法第56条の6第2項(七章雑則)は、医療的ケア児支援法の施行と同時期の改正で追加された地方公共団体の努力義務として、次のとおり定めています。

地方公共団体は、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が、その心身の状況に応じた適切な保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し、必要な措置を講ずるように努めなければならない。

この規定は「体制整備に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない」という努力義務であり、個々の放デイ事業所に医療的ケア児の受け入れそのものを義務づける規定ではありません。事業所単位での受け入れ体制の基準は、次章の人員配置基準に定められています。

人員配置基準 — 看護職員配置の原則と3つの例外(第66条)

放デイの人員基準は「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号、law_id: 424M60000100015)第4章(第65条〜第71条の6)に定められており、看護職員の配置は第66条第2項に規定されています。e-Gov法令検索で確認した条文原文は次のとおりです。

2 前項各号に掲げる従業者のほか、指定放課後等デイサービス事業所において、日常生活を営むのに必要な機能訓練を行う場合には機能訓練担当職員を、日常生活及び社会生活を営むために医療的ケアを恒常的に受けることが不可欠である障害児に医療的ケアを行う場合には看護職員を、それぞれ置かなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、看護職員を置かないことができる。 一 医療機関等との連携により、看護職員を指定放課後等デイサービス事業所に訪問させ、当該看護職員が障害児に対して医療的ケアを行う場合 二 当該指定放課後等デイサービス事業所(社会福祉士及び介護福祉士法第四十八条の三第一項の登録に係る事業所である場合に限る。)において、医療的ケアのうち喀痰吸引等のみを必要とする障害児に対し、当該登録を受けた者が自らの事業又はその一環として喀痰吸引等業務を行う場合 三 当該指定放課後等デイサービス事業所(社会福祉士及び介護福祉士法附則第二十七条第一項の登録に係る事業所である場合に限る。)において、医療的ケアのうち特定行為のみを必要とする障害児に対し、当該登録を受けた者が自らの事業又はその一環として特定行為業務を行う場合

つまり原則は「医療的ケアを恒常的に受けることが不可欠である障害児に医療的ケアを行う場合、看護職員(保健師・助産師・看護師又は准看護師)を置かなければならない」であり、例外として①訪問看護等との連携で対応する場合、②喀痰吸引等業務の登録事業所が登録者による喀痰吸引等のみで対応する場合、③特定行為業務の登録事業所が登録者による特定行為のみで対応する場合、の3パターンで看護職員を置かないことが認められています。

なお、同条第4項は「主として重症心身障害児を通わせる指定放課後等デイサービス事業所」(いわゆる重心型事業所)について、看護職員1名以上・嘱託医1名以上を含む別建ての人員基準を定めています。重心型事業所は医療的ケア児の利用の有無にかかわらず看護職員配置が基準上求められる点が、一般型事業所(看護職員配置が医療的ケアを行う場合に限定される)と異なります。

報酬の仕組み — 医療的ケアスコアと医療的ケア区分(1〜3)

放デイ・児童発達支援の報酬は、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定で、医療的ケア児の医療的ケアの程度(医療濃度)を点数化した「医療的ケアスコア」に応じて基本報酬・加算が設定される仕組みに再編されました。福島県が公表した資料「医療的ケアを必要とする障害児への支援に係る報酬の取扱いについて(児童発達支援・放課後等デイサービス)」(令和3年度報酬改定に基づく解説資料。指定基準・指定基準解釈通知・報酬告示(平成24年厚生労働省告示第122号)・報酬告示留意事項通知を引用元として明記)によると、医療的ケアスコアは以下の枠組みです。

厚生労働省(こども家庭庁支援局障害児支援課)が令和6年4月1日付で公表した障害者自立支援給付審査支払等システムに係るQ&A(別添2「放課後等デイサービスにおける基本報酬の整理について」)でも、令和6年度報酬改定以降の基本報酬決定区分として「イ(一)医療的ケア児(32点以上)の場合」「イ(二)医療的ケア児(16点以上)の場合」「イ(三)医療的ケア児(3点以上)の場合」「イ(四)(一)から(三)以外の場合」という枠組みが維持されていることを確認しました。したがって、32点/16点/3点という区分の閾値そのものは令和6年度改定後も存続していますが、令和6年度改定では放デイの基本報酬全体が支援時間の長さに応じた「時間区分」制に再編されており、区分ごとの具体的な単位数は令和3年度改定時点の資料とは異なる可能性があります(この記事では単位数を断定しません)。

参考として、福島県資料に示された令和3年度改定時点の一般型事業所・定員10人・放課後等デイサービス(3時間以上)の基本報酬例は、区分3(32点以上・看護職員配置1:1)が2,604単位、区分2(16点以上・2:1)が1,604単位、区分1(3点以上・3:1)が1,271単位、医療的ケアなしが604単位、というものでした。この数値は令和3年度改定時点の例示であり、現時点(令和6年度改定以降)で適用される単位数は、必ず最新の報酬告示・都道府県等の一覧表で確認してください。

看護職員加配加算・医療連携体制加算 — 対象事業所が異なる2種類の加算

福島県資料および複数の障害福祉専門サイトの解説を突き合わせた範囲では、「看護職員を追加配置して評価する」加算には、対象事業所が異なる2種類があります。

看護職員加配加算(Ⅰ)(Ⅱ) は、主として重症心身障害児を受け入れる事業所(重心型事業所)が、重症心身障害かつ医療的ケアを必要とする障害児(重心医ケア児)を受け入れ、基準人員に加えて2人目以降の看護職員を配置した場合の加算です。福島県資料によると、算定要件は次のとおりです。

医療連携体制加算(Ⅰ)〜(Ⅴ) は、一般型事業所・重心型事業所を問わず、看護職員(自事業所配置または訪問看護ステーション等からの訪問)が医療的ケア児・医療的ケア児以外の障害児に看護を提供した場合に算定できる加算で、医療的ケア児が3人未満の場合に「医療的ケア区分に応じた基本報酬」の代わりに選択できる仕組みです(3人以上利用する場合は医療連携体制加算を算定できず、医療的ケア区分に応じた基本報酬を算定する必要があるとされています)。福島県資料に示された令和3年度改定時点の単位数は、医療的ケア児以外の障害児向け(Ⅰ〜Ⅲ、看護提供時間1時間未満〜2時間以上で32〜125単位)と、医療的ケア児向け(Ⅳ・Ⅴ、看護職員の滞在時間4時間未満/以上、対象人数1名〜8名で400〜1,600単位)に分かれていました。この単位数についても令和6年度改定以降の最新値は原典で確認する必要があります。

看護職員1名の配置として計上できるかどうかについては、福島県資料のQ&Aで「サービス提供時間帯を通じて配置していた場合に『1』として数える」「訪問看護ステーション等からの派遣を受けて医療的ケアを提供する場合は、配置した看護職員として計上できず、医療連携体制加算を算定することとされたい」との整理が示されています。

断定を避けた点

点検チェックリスト


出典一覧(すべて2026年8月19日取得)

自己チェック(FACTORY.md検品チェックリスト5項目)

  1. テンプレ元混入なし: 既存14記事(jitchi-shido/gensan-ichiran/hotei-kenshu/bcp/gyakutai-shintai-kosoku/kobetsu-shien-keikaku/jiko-hyoka-kohyo/joho-kohyo/jihatsukan-yoken/jogengaku-kanri/pawahara-boushi/gyakutai-tsuhou-gimu/kiroku-seibi-hozon/sekuhara-mata-boushi)およびkiroku-seibi-hozon.mdの文体・見出し構成のみ参考にし、文言・数値・固有名詞はコピーせず新規に執筆した。テーマ(医療的ケア児受け入れ・人員配置・看護職員加配加算)はこれら14記事のいずれとも重複しない。
  2. 価格の一致: 本記事には独自の有償商品を想定していないため、CTA部分は既存の「放課後等デイの減算・実地指導対策パック」への参照に留め、価格表記(¥29,800税込)はcurlで https://nullset.jp/houdei/ を直接取得し実物と一致することを確認した(下記CTA参照)。
  3. 返金条件1行の配置: CTA直下に既存記事と同一の返金条件文言を配置。
  4. 参照ファイル名の実在整合: 本文中で言及した既存記事(kiroku-seibi-hozon.md)は /Users/fumitake/drip-co/factory_out/20260818/seo01_houdei_wave7/kiroku-seibi-hozon.md として実在を確認済み。存在しないファイルへの言及なし。
  5. 制度系数値の一次情報突合: 法律番号・施行日・条番号・条文原文はすべてe-Gov法令検索API v2で直接取得したJSONから抽出し逐語確認した(孫引きなし)。報酬・加算の単位数は福島県資料・厚労省Q&Aという一次情報に準ずる公的資料で確認し、令和6年度改定後の具体的単位数は「断定しない」旨を本文・出典欄の両方に明記した。医療的ケア児支援法が放デイに直接言及していない点、看護職員加配加算の告示原文までは逐条確認していない点も、それぞれ本文中で留保を明記した。

免責

自分で作るなら、この記事の手順で足ります

医療的ケア児支援法・児童福祉法・人員配置基準の該当条文をe-Gov法令検索で確認し、医療的ケアスコア・医療的ケア区分・看護職員配置の要否を整理する作業は、この記事の手順(条文の原文確認→自治体公表資料での加算要件の突き合わせ)で進められます。特別なツールは要りません。

一方で、法定研修・BCP・身体拘束等適正化の指針など、放デイ運営に必要な書類一式をまとめて整えたい場合は、放課後等デイの減算・実地指導対策パック(¥29,800 税込)を用意しています。本記事のような医療的ケア児受け入れ・看護職員加配加算の制度解説そのものを扱う専用ドキュメントではありません。パックの収録物(法定研修5本+BCP記入例+虐待防止/身体拘束等適正化の指針+実地指導チェックリスト+情報公表転記準備シート)は、本記事のテーマ(医療的ケア児受け入れ体制)を直接カバーするものではない点にご注意ください。

※収録物の記入例・ひな形はそのまま使えるものではなく、貴事業所の実情に合わせた編集が必要です。士業の独占業務の代行ではなく、実地指導の結果・加算取得・監査通過を保証するものでもありません。デジタル商品のためダウンロード後の返金はお受けできません(ファイルの破損・不具合時は再送または返金で対応します)。

本記事は制度の理解を助けるための一般的な情報提供であり、行政書士・社会保険労務士等の独占業務の代行ではありません。ひな形・記入例はそのまま提出できるものではなく、各事業所の実態に合わせた編集が必要です。運営指導の結果・加算の取得・減算の回避を保証するものではありません。制度は改正されます。必ず指定権者(都道府県・市)およびこども家庭庁等の最新の公表資料をご確認ください。

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