放課後等デイ 減算・実地指導 対策NULLSET LLC パックを見る
ホーム記事一覧 / 放課後等デイの運営規程・重要事項説明書|掲示義務(第43条)と契約時の説明・同意(第12条)の違い

放課後等デイの運営規程・重要事項説明書|掲示義務(第43条)と契約時の説明・同意(第12条)の違い

公開 2026-08-30 最終更新 2026-08-30 文責 合同会社ヌルセット

放課後等デイサービス(以下「放デイ」)には、「運営規程」「重要事項説明書」「事業所内の掲示」という似た言葉が登場しますが、実は根拠条文が3つに分かれていることは意外と知られていません。運営規程を定める義務(第37条)、その概要を事業所内に掲示する義務(第43条)、そして利用申込者に文書を交付して説明し同意を得る義務(第12条)は、条文上は別々の規定です。

この記事では、指定通所支援基準の3つの条文を一次情報で確認し、それぞれ「何を」「いつ」「誰に対して」行う義務なのかを整理します。

この記事でわかること


根拠条文は3つに分かれている

根拠は「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号。以下「指定通所支援基準」)です。いずれも第2章(児童発達支援)の条文ですが、第71条(準用)により放デイにも適用されます(出典: e-Gov法令検索 指定通所支援基準)。

条文 見出し 求められること
第12条 内容及び手続の説明及び同意 利用申込者に重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得る
第37条 運営規程 事業の運営についての重要事項に関する運営規程を定める
第43条 掲示 運営規程の概要等を事業所の見やすい場所に掲示する(書面備置きでも可)

第71条(準用)の条文には「第十二条から第二十二条まで、第二十四条から第三十条まで、第三十二条、第三十四条から第四十五条まで…の規定は、指定放課後等デイサービスの事業について準用する」とあり、第12条・第37条・第43条のいずれもこの準用範囲に含まれています(出典: 指定通所支援基準第71条)。

運営規程(第37条) — 定めるべき12項目

第37条は、事業所ごとに運営規程を定めることを義務づけ、記載すべき項目を12号にわたって列挙しています(出典: 同条文)。

記載項目
一号 事業の目的及び運営の方針
二号 従業者の職種、員数及び職務の内容
三号 営業日及び営業時間
四号 利用定員
五号 指定児童発達支援の内容並びに通所給付決定保護者から受領する費用の種類及びその額
六号 通常の事業の実施地域
七号 サービスの利用に当たっての留意事項
八号 緊急時等における対応方法
九号 非常災害対策
十号 事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合には当該障害の種類
十一号 虐待の防止のための措置に関する事項
十二号 その他運営に関する重要事項

条文上は「放課後等デイサービス」ではなく「指定児童発達支援」の文言で書かれていますが、これは第71条の準用構造によるもので、放デイの運営規程にもこの12項目がそのまま適用されます。第43条は運営規程を「第四十三条第一項において『運営規程』という」と参照しており、この2つの条文は表裏一体です。

掲示義務(第43条) — 事業所内掲示、または書面備置きで代替可

第43条は2項構成です(出典: 同条文)。

第一項 指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、前条の協力医療機関その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。 第二項 指定児童発達支援事業者は、前項に規定する事項を記載した書面を当該指定児童発達支援事業所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、同項の規定による掲示に代えることができる。

つまり、壁面などへの掲示が原則ですが、第2項により「事項を記載した書面を備え付けて、いつでも自由に閲覧させる」ことでも掲示義務を満たせます。掲示すべき内容は「運営規程の概要」「従業者の勤務の体制」「協力医療機関(第42条)」その他利用申込者の選択に資する重要事項で、運営規程そのものの全文掲示までは条文上求められていません(「概要」という文言)。

契約時の文書交付・説明・同意(第12条) — いわゆる「重要事項説明書」の根拠

一般に「重要事項説明書」と呼ばれる書面の交付・説明・同意の義務は、第43条(掲示)ではなく第12条(内容及び手続の説明及び同意)が根拠です(出典: 同条文)。

指定児童発達支援事業者は、通所給付決定保護者が指定児童発達支援の利用の申込みを行ったときは、当該利用申込を行った通所給付決定保護者(以下「利用申込者」という。)に係る障害児の障害の特性に応じた適切な配慮をしつつ、当該利用申込者に対し、第三十七条に規定する運営規程の概要、従業者の勤務体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該指定児童発達支援の提供の開始について当該利用申込者の同意を得なければならない。

この条文が求めているのは3つです。

  1. 障害の特性に応じた適切な配慮をしつつ
  2. 運営規程の概要等の重要事項を記した文書を交付して説明を行い
  3. サービス提供開始について利用申込者の同意を得る

第2項では、社会福祉法第77条(福祉サービスの利用契約の申込み時の書面交付)に基づき書面交付を行う場合も、同様に障害特性への配慮を求めています。

3条文の関係整理

条文 タイミング 対象 行為
第37条 事業開始前・随時 事業所内部の規程 運営規程を定める
第43条 常時 事業所を訪れる利用申込者・関係者一般 運営規程の概要等を掲示(または書面備置き)
第12条 利用申込み時 個別の利用申込者(通所給付決定保護者) 重要事項を記した文書を交付・説明同意を得る

実務では、第43条の掲示用に「運営規程の概要」を、第12条の契約時交付用に「重要事項説明書」という書面を、それぞれ別に(あるいは同一の書面を掲示用と交付用に併用して)用意している事業所が多く見られます。条文上は「概要」と「重要事項を記した文書」という別々の表現が使われているため、どちらの義務を果たすための書面かを意識して整備することが実務上のポイントです。

準備・点検チェックリスト

よくある誤解を3つ

1) 掲示さえしていれば、契約時の説明・同意は不要 第43条(掲示)と第12条(契約時の説明・同意)は別の条文です。事業所内に掲示していても、利用申込者ごとに文書を交付して説明し同意を得る手続(第12条)は別途必要です。

2) 重要事項説明書は運営規程そのものを指す 第37条が求めるのは「運営規程」の策定、第12条が求めるのは重要事項を記した「文書」の交付です。条文上、第43条は「運営規程の概要」の掲示としており、重要事項説明書は必ずしも運営規程の全文と同一である必要はありません。

3) 掲示は必ず壁に貼らなければならない 第43条第2項により、事項を記載した書面を事業所に備え付け、いつでも関係者に自由に閲覧させることでも掲示義務を満たせます。壁面掲示が唯一の方法ではありません。


出典一覧(すべて2026年8月14日参照)

免責

自分で作るなら、この記事の手順で足ります

運営規程12項目のチェック、掲示物と重要事項説明書の内容整合、契約時の同意記録の整備は、この記事の整理をそのまま使えば自事業所の情報を書き込むだけで進められます。特別なツールは要りません。

一方で、放デイ運営に必要な法定研修や指針をまとめて整えたい場合は、放課後等デイの減算・実地指導対策パック(¥29,800 税込)を用意しています。実地指導(運営指導)チェックリストには「運営規程の概要・従業者の勤務体制等を事業所内に掲示」という項目(D1)・「重要事項説明書で利用開始時に説明・同意を得ている」という項目(D2)が含まれていますが、これはチェック欄のみで、本記事のような3条文の切り分け・記載項目12号の整理をまとめた専用ドキュメントではありません。パックの他の収録物(法定研修5本+BCP記入例+虐待防止/身体拘束等適正化の指針+情報公表転記準備シート)も、運営規程・重要事項説明書そのものを直接カバーするものではない点にご注意ください。

※収録物の記入例・ひな形はそのまま使えるものではなく、貴事業所の実情に合わせた編集が必要です。士業の独占業務の代行ではなく、実地指導の結果・加算取得・監査通過を保証するものでもありません。デジタル商品のためダウンロード後の返金はお受けできません(ファイルの破損・不具合時は再送または返金で対応します)。

本記事は制度の理解を助けるための一般的な情報提供であり、行政書士・社会保険労務士等の独占業務の代行ではありません。ひな形・記入例はそのまま提出できるものではなく、各事業所の実態に合わせた編集が必要です。運営指導の結果・加算の取得・減算の回避を保証するものではありません。制度は改正されます。必ず指定権者(都道府県・市)およびこども家庭庁等の最新の公表資料をご確認ください。

研修も指針もBCPも、作る時間がない場合

この記事の手順どおりに自分で作れば費用はかかりません。時間のほうを買いたい場合は、放課後等デイに絞って編集可能なWord形式で一式にまとめたパックがあります。法定研修5本・虐待防止/身体拘束等適正化の指針・BCP記入例・実地指導チェックリスト・情報公表の転記シート。

放課後等デイ 減算・実地指導 完全パック(¥29,800・編集可docx)

記入例・ひな形は各事業所の実態に合わせた編集が必要です/士業の独占業務の代行ではありません/運営指導の結果を保証するものではありません。

あわせて読む放課後等デイの人員配置基準10人まで2人、超えたら5人ごとに1人という計算式。放課後等デイの秘密保持・個人情報保護退職後も、事業者側の措置義務は終わらない。放課後等デイの児童発達支援管理責任者(児発管)の資格要件誰が児発管になれるかは、配置基準の省令ではなく別の告示にある。放課後等デイの事故発生時対応・報告義務「速やかに」の中身は指定権者ごとに違う。放課後等デイのパワーハラスメント防止措置対職員のパワハラと、対利用者のカスハラは別物。放課後等デイの苦情解決体制第三者委員は省令ではなく通知由来という整理。