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放課後等デイの児童発達支援管理責任者(児発管)の資格要件|実務経験年数・基礎研修/実践研修を告示で確認

公開 2026-08-30 最終更新 2026-08-30 文責 合同会社ヌルセット

放課後等デイサービス(以下「放デイ」)には児童発達支援管理責任者(以下「児発管」)を1人以上配置しなければならず、そのうち1人以上は専任かつ常勤である必要があります(指定通所支援基準第66条)。ここまでは配置数の話ですが、「では誰が児発管になれるのか」という資格要件は、配置基準を定める省令には数字が一切書かれていません。実務経験の年数・研修の種類は、別の告示に委任されています。

この記事では、その委任先である平成24年厚生労働省告示第230号を一次情報で確認し、児発管になるための実務経験要件と研修体系(基礎研修→実践研修→更新研修)を整理します。

この記事でわかること


根拠条文 — 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第49条第1項

児発管の定義そのものは、指定通所支援基準ではなく「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)第49条第1項に置かれています(出典: e-Gov法令検索、同基準第49条第1項)。

児童発達支援管理責任者(障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者としてこども家庭庁長官が定めるものをいう。以下同じ。)を置かなければならない。

このとおり、条文は「こども家庭庁長官が定めるもの」への委任規定になっており、具体的な資格要件(実務経験年数・研修)は条文自体には一切記載がありません。この委任を受けているのが、次に説明する告示です。

委任先 — 平成24年厚生労働省告示第230号

児発管の資格要件を具体的に定めているのは、「障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者としてこども家庭庁長官が定めるもの」(平成24年3月30日厚生労働省告示第230号)です(出典: 厚生労働省法令等データベースシステム)。もともとは「厚生労働大臣が定めるもの」という名称でしたが、令和5年厚生労働省告示第167号によりタイトルが「こども家庭庁長官が定めるもの」に改称されています。以後も度重なる改正を経て現在に至っており、直近では令和8年3月31日こども家庭庁告示第6号(令和8年4月1日から適用)まで改正が加えられていることを確認しています。

この告示は、児発管の要件を第一号(実務経験)第二号(研修)の2階建てで定めています。両方を満たして初めて児発管になれます。

第一号 — 実務経験要件の骨格

条文(第一号)は、次のイ〜ヘに区分した業務従事期間の組み合わせで実務経験者の要件を定めています。読み解くと、代表的な3パターンに整理できます。

パターン 必要な組み合わせ(骨格)
① 相談支援中心 イ(相談支援の業務)+ロ(直接支援の業務)を通算5年以上、かつそのうちハ(老人福祉施設等での相談支援・直接支援)を除いた期間が3年以上
② 直接支援中心 ニ(社会福祉主事任用資格者等でない者の直接支援の業務)を通算8年以上、かつそのうちホを除いた期間が3年以上
③ 混合パターン イ・ロ・ニを通算した期間からハ・ホを除いた期間が3年以上、かつヘ(国家資格保有者としての業務)が通算5年以上

条文が定める業務区分(要旨)は次のとおりです。

この年数計算は個々の職歴によって複雑に分岐します。従事先の施設種別・当時の資格の有無によってイ〜ヘのどこに算入されるかが変わるため、職員の職歴を年数計算に当てはめる際は、必ず指定権者(都道府県)に個別に確認してください。この記事はパターンの骨格を示すものであり、個別の年数算定を保証するものではありません。

第二号 — 研修体系(基礎研修→実践研修→更新研修)

実務経験要件を満たしただけでは児発管にはなれません。次の研修を修了する必要があります(告示第二号、別表第一・第三・第四)。

段階 研修名 時間数 要件
1 児童発達支援管理責任者基礎研修 講義7.5h+演習7.5h=計15h 実務経験者となるまで2年以内の者、または実務経験者に対して実施
(OJT) 基礎研修修了後、実践研修受講開始日前5年間に通算2年以上、相談支援の業務または直接支援の業務に従事
2 児童発達支援管理責任者実践研修 計14.5h 上記OJTの要件を満たした基礎研修修了者が受講。修了して初めて「児発管」になれる
3(以降反復) 児童発達支援管理責任者更新研修 計13h 実践研修修了日の属する年度の翌年度を初年度として5年度ごとに受講。修了しないと基礎研修修了者とみなされ、実践研修からやり直しになる

つまり、児発管になるまでの流れは「実務経験(パターン①〜③のいずれか)+基礎研修(15h)+実務2年以上のOJT+実践研修(14.5h)」で、児発管になった後も5年ごとに更新研修(13h)を受けないと資格を維持できません。更新研修を受けないまま5年度の末日を過ぎると、実践研修修了者ではなく基礎研修修了者とみなされ、実践研修を改めて修了しない限り児発管に戻れません(告示第五号)。

児発管が欠けたときの特例 — みなし児発管制度

やむを得ない事由で児発管が欠けた場合、告示第七号は次の救済措置を定めています。

急な退職等で児発管が不在になった場合でも、直ちに指定取消し等になるわけではなく、この猶予期間内に後任の確保・研修受講を進めることが想定されています。ただし「実務経験者であること」自体は免除されないため、無資格・無経験の職員をみなし児発管として置くことはできません。

過去にあった経過措置(現在は終了済み)

告示第三号・第四号には、平成31年度の研修制度改正(基礎研修・実践研修の2段階化)に伴う経過措置が置かれていましたが、いずれも令和6年3月31日または基礎研修修了から3年経過時点で既に期限を迎えています。現在新たに児発管を目指す場合は、上記の「基礎研修→OJT→実践研修」という原則ルートのみで判断してください。

準備・点検チェックリスト

よくある誤解を3つ

1) 児発管の資格要件は指定通所支援基準に書かれている 指定通所支援基準は「1以上配置、うち1人以上専任常勤」という配置数を定めているだけです。資格要件(実務経験・研修)は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第49条第1項が委任する別の告示(平成24年厚生労働省告示第230号)に定められています。

2) 実務経験の年数を満たせば、研修なしでも児発管になれる 実務経験(第一号)と研修(第二号)は両方必須です。実務経験者であっても、基礎研修・OJT・実践研修を経なければ児発管にはなれません。

3) 一度児発管になれば、資格はずっと有効 実践研修修了後も、5年度ごとに更新研修を受けなければ資格を維持できません。更新研修を怠ると基礎研修修了者とみなされ、児発管の要件を再び満たさなくなります。


出典一覧(すべて2026年8月17日参照)

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