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放デイの個別支援計画(放課後等デイサービス計画) 作成手順と未作成減算|5領域との関連づけ・同意・交付・モニタリングまで

公開 2026-07-27 最終更新 2026-07-27 文責 合同会社ヌルセット

「個別支援計画は作ってあるはずなのに、運営指導で『一連の業務が適切に行われていない』と指摘された」——放課後等デイサービス(以下、放デイ)の減算のなかで、個別支援計画未作成減算はもっとも「うっかり」で該当しやすい減算です。計画そのものが無い事業所より、同意日が抜けている・会議録が無い・交付の記録が無い・見直しが半年を超えている事業所のほうが、実務では圧倒的に多いからです。

放デイは児童福祉法に基づく障害児通所支援で、所管はこども家庭庁です。この記事では、国の一次情報(e-Gov法令検索の運営基準省令、こども家庭庁の留意事項通知・報酬改定資料)を実際に確認したうえで、個別支援計画(放デイでの正式名称は放課後等デイサービス計画)の作成手順と、未作成減算の率・起算・予防策を整理しました。

この記事でわかること


1. 「個別支援計画」の正式名称と根拠条文

放デイの個別支援計画は、省令上は放課後等デイサービス計画と呼ばれます。根拠は「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号。以下「省令」)です。

省令は児童発達支援の規定(第27条「児童発達支援計画の作成等」)を第71条で放デイに準用し、「児童発達支援計画」を「放課後等デイサービス計画」と読み替えています。

第二十六条第一項、第二十七条及び第五十四条第二項第二号中「児童発達支援計画」とあるのは「放課後等デイサービス計画」と読み替えるものとする。 (出典: e-Gov法令検索 平成24年厚生労働省令第15号 第71条)

なお、作成された計画は記録の保存義務の対象で、提供した日から5年間の保存が必要です(省令第54条第2項第2号。第71条の読替により「放課後等デイサービス計画」)。

2. 作成手順は8ステップ。省令第27条をそのまま業務フローにする

省令第27条(第71条で準用)は、計画作成の手順をかなり具体的に書いています。運営指導もこの条文の順番どおりに確認されるので、条文の項番=業務フローとして整理するのが最短です。

# ステップ 条文(省令27条) 残すべき記録
0 管理者が児童発達支援管理責任者(児発管)に計画作成業務を担当させる 第1項 職務分掌・辞令等(児発管が作成責任者であることが分かるもの)
1 アセスメント: 能力・環境・日常生活全般の状況等の評価を通じて、保護者・本人の希望する生活と課題を把握 第2項 アセスメントシート
2 アセスメントでは保護者・障害児に面接し、趣旨を十分説明して理解を得る 第3項 面接記録(日時・相手・内容)
3 原案作成: 意向、総合的な支援目標と達成時期、生活全般の質を向上させるための課題、第26条第4項の領域(=5領域)との関連性インクルージョンの観点を踏まえた具体的内容、留意事項等を記載 第4項 計画の原案(家族援助・他の保健医療/福祉サービスとの連携も位置づけるよう努める)
4 担当者会議(個別支援会議): 担当者等を招集して原案に意見を求める(テレビ電話装置等の活用可)。障害児の意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮される体制を確保 第5項 会議録(開催日・出席者・検討内容)
5 保護者・障害児に説明し、文書により同意を得る 第6項 同意欄の署名・同意日
6 計画を保護者に交付する。加えて、当該保護者に指定障害児相談支援を提供する者(相談支援事業者)にも交付 第7項 交付の記録(交付日・交付先)
7 モニタリング(継続的なアセスメントを含む実施状況の把握)を行い、少なくとも6月に1回以上計画を見直し、必要に応じて変更 第8項 モニタリング記録・見直しの記録
8 モニタリングでは保護者と継続的に連絡し、定期的に面接定期的に結果を記録 第9項 面接記録・モニタリング記録

計画を変更する場合は、第2項〜第7項の手続(アセスメント→原案→会議→同意→交付)を準用します(第10項)。「変更だから同意は省略」はできません。

(出典: e-Gov法令検索 平成24年厚生労働省令第15号 第27条・第71条)

運営指導ではこの書類が見られる

国の指導監査通知の別紙「主眼事項及び着眼点等(指定放課後等デイサービス)」は、主眼事項「17 放課後等デイサービス計画の作成等」の確認文書として、個別支援計画/アセスメント及びモニタリングを実施したことが分かる記録/面接記録/個別支援計画の原案/他サービスとの連携状況が分かる書類/サービス担当者会議の記録/保護者に交付した記録/モニタリング記録を挙げています(出典: 「指定障害児通所支援事業者等の指導監査について」別紙・指定放課後等デイサービスの主眼事項17)。つまり、上の表の「残すべき記録」列がそのまま当日の確認対象です。


3. 令和6年度報酬改定で計画に入った3つの変更点

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(令和6年4月施行)は、個別支援計画の書き方に直接影響する変更を含んでいます(出典: 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」)。

(1) 5領域との関連づけの明確化

改定資料は、児童発達支援・放デイについて「支援において、5領域を全て含めた総合的な支援を提供することを基本とし、支援内容について事業所の個別支援計画等において5領域とのつながりを明確化した上で提供することを求める《運営基準》」と明記しています。5領域とは次の5つです。

(出典: 同改定資料。5領域の名称はこども家庭庁の留意事項通知(改正後全文)第二の2(1)(8の2)にも「『健康・生活』、『運動・感覚』、『認知・行動』、『言語・コミュニケーション』及び『人間関係・社会性』」と列挙)

省令側では、第26条第4項(第71条で準用)が「心身の健康等に関する領域を含む総合的な支援」の提供を求め、第27条第4項が計画の原案に「第26条第4項に規定する領域との関連性」を踏まえた具体的内容を記載するよう定めています。実務では、計画の各支援内容の欄に「どの領域に対応する支援か」を明記する書式にしておくのが確実です。なお、5領域とのつながりを明確化した事業所全体の計画が「支援プログラム」で、こちらは策定・公表・届出をしないと別の減算(支援プログラム未公表減算・所定単位数の100分の85)の対象になります。個別支援計画(こども一人ひとり)と支援プログラム(事業所全体)は別物です。

(2) 相談支援事業者への交付の義務化

改定資料は「サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が作成した個別支援計画について相談支援事業者への交付を義務付け」と明記しており、省令第27条第7項にも「通所給付決定保護者及び当該通所給付決定保護者に対して指定障害児相談支援を提供する者に交付しなければならない」と規定されています。保護者に渡して終わり、ではありません。相談支援事業所への交付記録まで残してください。

(3) 支援時間の記載が基本報酬に直結

令和6年度改定で、基本報酬は「個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価」となり、30分以上1時間30分以下/1時間30分超3時間以下/3時間超5時間以下(放デイでは学校休業日のみ)の3区分が設けられました。30分未満の極めて短時間の支援は原則算定対象外です(出典: 同改定資料)。また留意事項通知は、通所支援計画に沿ったサービス提供に必要なサービス提供時間(送迎時間を除く)は30分以上である必要があるとしています(出典: 留意事項通知(改正後全文)第二の1(3))。計画に支援時間(時間帯)を書いていない・実態と合っていないと、報酬区分の根拠を説明できなくなります。


4. 未作成減算:率・該当事由・期間の正確な読み方

率は「所定単位数そのものが70%・50%になる」型

こども家庭庁の留意事項通知(改正後全文)第二の2(1)(7)は、通所支援計画等未作成減算について次のとおり定めています。

身体拘束廃止未実施減算などの「所定単位数から100分の1を減算する(=×99/100)」型と違い、こちらは所定単位数そのものが70%・50%になる型です。10人規模の事業所で数か月分となると、返還額は容易に百万円単位になります。なお、この所定単位数は各種加算がなされる前の単位数で、加算を含めた合計に減算がかかるものではありません(出典: 同(7)②)。

報酬告示上の根拠は、指導監査通知の別紙(指定放課後等デイサービス・第9)に「放課後等デイサービス計画が作成されていない期間が3月未満の場合 100分の70/3月以上の場合 100分の50」(平24厚告122別表第3の1の注4)として掲げられています。率は、こども家庭庁「障害福祉サービス費等の報酬算定構造(令和8年度)」の放課後等デイサービス給付費の欄でも×70/100・×50/100と確認できます。

「未作成」には2パターンある

留意事項通知(7)④は、次のいずれかに該当する障害児について減算するとしています。

(二)が実務上の落とし穴です。計画の紙は存在しても、アセスメント記録が無い・担当者会議を開いていない・文書同意が無い・交付していない・6月に1回以上の見直しをしていない——8ステップのどこかが欠けると「一連の業務が適切に行われていない」と判断され得ます。また、児発管が不在の間に他の職員だけで作った計画は(一)に該当し得ます(児発管の人員欠如減算と同時に問題になる典型パターンです)。

期間は「該当する月から、解消した月の前月まで」

具体的には、次のいずれかに該当する月から当該状態が解消されるに至った月の前月まで、次のいずれかに該当する障害児につき減算するものであること。 (出典: 留意事項通知(改正後全文)第二の2(1)(7)④)

情報公表未報告減算やBCP未策定減算が「事実が生じた翌月から解消まで」なのに対し、計画未作成減算は「該当するその月から、解消した月の前月まで」です。つまり発生した月から即かかり、直した月は減算されません。「気づいたらその月のうちに一連の手続をやり直して整える」ことに、1か月分の実益があります。

また、この減算は事業所全員ではなく計画が未作成状態にある障害児ごとにかかります(「該当する障害児につき減算」)。1人の更新漏れなら、その1人の分だけです。

留意事項通知(7)⑤は、都道府県知事は規定を遵守するよう指導し、従わない場合は特別な事情がある場合を除き指定の取消しを検討するとしています。減算で終わらない可能性がある、という位置づけも押さえてください。


5. そのまま使える|個別支援計画の減算予防チェックリスト

利用者ごとに、半年に1回の見直しのタイミングで回す想定です。

6. よくある誤解

「様式は自由なので、うちの1枚ものでよい」 → 様式は法定されていませんが、記載事項(意向・支援目標と達成時期・課題・5領域との関連性・インクルージョンの観点を踏まえた具体的内容・留意事項)は省令第27条第4項で決まっています。1枚ものでも、この要素が全部読み取れる必要があります。

「計画はあるから減算にはならない」 → 「一連の業務が適切に行われていない」場合も減算対象です。同意日・会議録・交付記録・モニタリング記録の欠落は、運営指導でそのまま指摘されます。

「減算は指摘された翌月からかかる」 → 計画未作成減算は「該当する月から」です。過去に遡って該当月が認定されれば、その分の返還になります。

「5領域は支援プログラムに書いてあるから計画には不要」 → 支援プログラム(事業所全体)と個別支援計画(こども一人ひとり)は別の義務です。計画の側にも5領域との関連性の記載が求められます(省令第27条第4項)。


出典一覧(すべて2026年7月27日に参照)

本記事で「確認できなかった/要確認」とした事項

※本記事に記載した条番号・減算率は、上記一次情報を2026年7月27日時点で参照して確認したものです。制度は改正されます。


免責


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ここまでの手順どおりに進めれば、個別支援計画まわりの記録整備はご自身で十分にできます。必要なのは、省令第27条の8ステップを自事業所の様式と運用に落とし込む時間だけです。

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※デジタル商品のため、ダウンロード後の返金はお受けできません(ファイルの破損・不具合等があった場合は、再送または返金で対応します)。

収録物はすべて記入例=要編集のテンプレートで、そのまま提出・掲示できる完成品ではありません。士業の独占業務(作成代行・提出代行・個別の法令判断・代理)の代行ではありません。運営指導の結果・減算回避・加算取得を保証するものではありません。要件・様式・頻度は指定権者および年度により異なるため、最終確認は原典(省令・告示・通知)と指定権者の資料でお願いします。

本記事は制度の理解を助けるための一般的な情報提供であり、行政書士・社会保険労務士等の独占業務の代行ではありません。ひな形・記入例はそのまま提出できるものではなく、各事業所の実態に合わせた編集が必要です。運営指導の結果・加算の取得・減算の回避を保証するものではありません。制度は改正されます。必ず指定権者(都道府県・市)およびこども家庭庁等の最新の公表資料をご確認ください。

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